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書評「超音波診断へのアプローチ 腹部」
秋本 伸
1
1東京女子医科大学
pp.696
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110956
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本書の著者,東義孝氏は昭和47年に九州大学医学部を卒業,九大放射線科を経て福岡大放射線科講師.松本廣嗣氏は昭和50年に熊本大学医学部を卒業し,現在沖縄県立中部病院外科医長であり,共に長年超音波診療に携ってこられた.本書はその豊富な臨床経験をもとに,トレーニングの意味からは極めて適切な症例を用いて作られたものと言えよう.
著者は既に超音波診断に関する著書を世に出している.本書「序」にいみじくも語られているごとく,超音波診断のトレーニングは検査の現場で行われるのが最も効率よく,テキストによる指導には問題が少なくない.著者はこの点を十分知り尽したうえで,あえて初学者向けにこの本を工夫して作られたものである点が注目に値しよう.多くの類書が疾患別に分類して作られているのに対して,ここではQ&A形式をとりながら,どこにポイントをおいて読影するのかを教えているのもその点に配慮したものであろう.
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