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書評「大腸癌の構造」
西 満正
1
1癌研附属病院
pp.570
発行日 1990年5月25日
Published Date 1990/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110882
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日本人病理学者の快挙
数理的癌診断への挑戦 ある病変が癌か否かを初期の段階で判別することは,最も重要なことであるが,困難を伴うことが少なくない.そして,このような癌の判定は,臨床的な診断,治療,治療成績,疫学などを論ずる場合にも,基礎的な実験腫瘍の研究でもまことに重要である.
ところがその判定基準が日本中あるいは世界中で異なっているとすれば恐ろしいことであり,ばかげたロスも多いと思われる.一般に自然科学は経験や感によるパターン認識でなく,数学的表現を命題とする.著者は判定基準の客観性,共通言語としての数学的表現に長年にわたって苦闘し,多数の症例についてしっかり取り組んできた.この本はその労作の結晶である.
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