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書評「消化器癌の術前・術中・術後照射―手術と放射線の最適併用」
酒井 邦夫
1
1新潟大学放射線医学
pp.1356
発行日 1992年12月25日
Published Date 1992/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110133
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わが国では,偏らない立場で記述された臨床腫瘍学に関する良書は少ない.恐らくそのために,癌治療の第一線では少なからず混乱がみられているのが現状である.その点で本書は,臨床の第一線で活躍している外科および放射線科の専門家が,それぞれに相手の立場を尊重しつつ,謙虚な態度で客観的な記述を心がけているので,全体としてバランスの取れた良書となっている.
総論では,放射線治療の基礎知識として,放射線の物理学的・生物学的性質,ならびに治療計画法が要領よくまとめられている.各論では,食道癌,胃癌,膵臓癌,胆道癌,肝臓癌ならびに直腸癌について,それぞれに最新のデータが呈示され,手術と放射線の効果的な併用のあり方がわかりやすく解説されている.消化器癌の臨床に携わっている外科医,放射線科医にとっては待望の手引書であるといえよう.
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