Coffee Break
Far East Nippon
武藤 徹一郎
1
1東京大学第1外科
pp.998
発行日 1985年9月25日
Published Date 1985/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109789
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Crohn病は欧米で多い病気だ.最近の報告ではどの国でも頻度が上昇しており,術後の再発率が高いうえに内科的治療法も確立していないやっかいな病気で,“clinically malignant”などと嘆かれるのも無理はない.
Crohn病の原因は何だろうか?最近ではmycobacterium説が出ているが,一時はウイルス説が有力であった.いや,現在でも有力な説の1つである.患者の腸管のホモジェネートを濾過してマウスの足底に注射したところ,肉芽腫が形成されたというCaveらの実験報告は大変センセーショナルで,わが国でも追試されたと思われる,その後間もなく学会で会ったMorson日く“あの肉芽腫は異物性のもので,注入時に毛でも入ったんじゃないか.ちゃんとした病理学者が標本をみていないのだから……”.その後,この研究に発展がみられた形跡がないのは周知のとおりである.
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