今月の主題 大腸sm癌
主題症例
C 隆起型sm癌と診断しポリペクトミーを行わず腸切除した例
7.早期胃癌(sm)に合併した同時性S状結腸癌sm,ly(-)の1例
八木田 旭邦
1
,
立川 勲
1
,
相馬 智
1
1杏林大学医学部第1外科
pp.848-849
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109426
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〔症例〕67歳,男性.姉が72歳のとき大腸癌で死亡.下血と上腹部痛を主訴として来院.胃透視と胃内視鏡で胃角後壁にIIcの病変が見出された.同時期に施行された注腸X線(Fig. 1)で,S状結腸に3個のポリープが認められた.最も肛門側に近い30×30mm大の隆起性病変が,sm癌もしくはBarmann 1型の進行癌を疑われた.大腸ファイバースコープでは短い茎を有する30×30mmの,頂上が経度に陥凹する不整形のポリープが認められた(Fig. 2).進行癌が疑われたためポリペクトミーは断念した.手術は胃亜全摘(R2)と前方切除(R2)が施行された.術後経過は良好で,約1カ月で退院した.
S状結腸の切除標本をFig. 3に示す.Fig. 4にsm癌のルーペ像を示した,矢印の部でsm浸潤が認められた.Fig. 5に胃角後壁に認められたIIc病変を示した.組織型はadenocarcinoma tubulare,well differentiated,sm(+)であった.胃のリンパ節を含め大腸のリンパ節に転移は認められなかった.
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