今月の主題 大腸sm癌
主題症例
B 内視鏡的ポリペクトミー後に腸切除した例
15.ly1,n1(+)であった亜有茎性S状結腸sm癌の1例
大木 繁男
1
,
大見 良裕
1
,
土屋 周二
1
1横浜市立大学医学部第2外科
pp.834-835
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109419
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〔症例〕68歳,男性.1976年5月より排便時に便のまわりに血液が付着することに気付く.注腸X線検査でS状結腸にポリープを認めた(Fig. 1).同年7月31日大腸ファイバースコープ検査で肛門輪より18cm口側に,表面に小さな凹凸があるが中心陥凹がない亜有茎性のポリープを認めたのでポリペクトミーにより切除した(Fig. 2).大きさは20×18mmであった.
病理組織学的所見 ポリープは腺腫部分を認めず,またその表面には中心陥凹や潰瘍性変化のない高分化型腺癌であった.粘膜筋板は癌により大部分破壊されて消失していることからsm癌で,かつmassive invasionを伴うものと考えられた(Fig. 3).また粘膜下層にリンパ管侵襲(ly1)を認めた(Fig. 4).摘出標本の切断端には癌はなかった.リンパ管侵襲(ly1)のため第3群までのリンパ節の郭清とS状結腸切除を追加した.
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