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書評「Endoscopic Diagnosis in Gastroenterology」
竹本 忠良
1
1山口大学
pp.1080
発行日 1982年10月25日
Published Date 1982/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108751
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まず,吉本隆明の「書物の解体学」(中央公論社,1975)の「夢」から一文を引用しよう.それには,“ある書物が,どの程度の出来ばえなのかを知る手っ取りばやい方法は,ひとつである.じぶんが,比較的よく知っている項目を,書物からいきなり探してみて,なにが言えているかを測ってみる.そういう項目で,ただ他人の解釈の受けうりしか発見できなかったり,ただのひけらかしだったり,項目に淫しているだけだったりしたら,他のすべての項目について駄目だと思ってよい.もちろん,的を外れる可能性もあるが,まず,最良の判断の仕方のひとつだ”とある.
吉本のあたえている書評指針は,私にも大変参考になっていて,ある本を買うか買わないか迷うとき,利用させてもらっている.また,書評を依頼されたときにも,その“伝”で,書評するappetiteがでないときには,さっさと断わっている.
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