今月の主題 消化管の健診を考える
主題
他臓器健診の問題点
②子宮癌
野田 起一郎
1
1近畿大学医学部産婦人科
pp.1353-1354
発行日 1979年10月25日
Published Date 1979/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107784
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本邦において組織的な子宮癌集団検診が始められて,既に20年に近い.集団検診は一見健常者のなかから無自覚,無症状の早期癌を発見するための積極的な手段である.無症状の癌の発見のためには必ずしも集団検診によらなければならないわけではなく,自発的な健康診断を定期的に行うことができればよいのであるが,現時点ではこのような人は決して多くはない.したがって,啓蒙の意味も含めて,集団検診の果してきた役割ははなはだ大きい.
しかしながら,癌の集団検診を行うためには,その臓器の早期癌に対して能率的で,かつ正確な篩別法を持っていることが必要な条件である.そしてまた,社会的癌対策としての立場から考えるときは,その臓器の癌がある程度以上の発生頻度をもっていることもその条件の一つとなろう.
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