疾患の病態と治療 再発と再燃
子宮癌
小沢 満
1
Mitsuru Ozawa
1
1国立大阪病院産婦人科
pp.685-690
発行日 1977年8月10日
Published Date 1977/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205661
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近年,上皮内癌,Ia期癌などほとんど100%近い治癒率が約束されている初期癌が高率に発見されるようになりつつあるのは,まことによろこばしいことであるが,一方とくに地域の終末病院的性格を有する施設においては,進行癌は依然としてあとをたたず,これにつきまとう再発・再燃の問題は,克服しがたい大きい壁としてわれわれの前に立ちはだかっており,これが対策に日夜苦慮しているのが現状である。
周知のごとく再発癌の予後はきわめて不良であり,癌治療の第一目標は,いかにして再発を防ぐかにおかれているので,この意味では初回治療こそ再発との闘いであるといっても過言ではない。したがって癌の臨床にたずさわるものとしては,再発癌についての十分な理解を持っている必要があり,これを欠いては,たとえ初期癌といえども安易にその治療を手がけるべきではないと考える。かかる観点から,著者は子宮頸癌の再発・再燃について基本的な考察を行なってみた。
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