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書評「肝障害―アルコール・薬物障害例とその病像」
名尾 良憲
1,2
1東京女子医科大学
2三楽病院
pp.1410
発行日 1978年10月25日
Published Date 1978/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107537
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近年,飲酒者ならびに飲酒量の増加に伴いアルコール性肝障害例に接する機会が多くなったが,また新薬開発の進展によって薬剤性肝障害も増加しつつある.このときにあたって伊藤進博士が「肝障害―アルコール・薬物障害例とその病像」なる著書を刊行されたことは,誠に時宜をえたものと思う.著者は,本邦に肝生検法が導入された当初から,これによる肝組織像の研究に取り組んでこられ,多くの業蹟を発表されつつある篤学の士である.
肝疾患の診断の項においては,問診,触診などの診断法に始まり,臨床所見からみた鑑別診断,さらに肝機能検査,生検法から電顕像にいたるまで,初心者にも,きわめて理解しやすく解説されており,これによってまず肝疾患全体の診断法を十分に把握することができる.
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