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編集後記
五ノ井 哲朗
pp.1437
発行日 1978年10月25日
Published Date 1978/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107542
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今月の主題は,胃・十二指腸併存潰瘍である.併存潰瘍について,このような多数例によって,このような多方面にわたって検討が加えられたことはかつてなかったことである.潰瘍研究の大勢はいま,個々の潰瘍病変の問題から,潰瘍の長期経過の問題へ,潰瘍症の問題へと向かっているように見える.併存潰瘍はこのような問題を考える上での,ひとつのキーワードである.
3つの主題論文ではそれぞれX線診断,内視鏡診断,手術標本に現れた併存潰瘍の全体的な眺望が明らかにされ,8つの主題症例では,その具体的な在りようが詳細に吟味されている.座談会では,これらの数字や症例によって何を考えるべきかという模索が試みられた.しかしながら,なお,解明された事柄よりも提起された問題の方がはるかに多いといわねばなるまい.
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