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電子計算機を用いた断層撮影法は,1973年のHounsfieldの装置による頭蓋内疾患診断の成功以来,臨床の各分野で大きな関心を呼んでいる.その主な理由は,今までのX線写真では判別のつかなかった脳脊髄液,脳実質,出血,硬塞,浮腫,腫瘍などX線吸収差のあまり大きくないもの同士も識別できるようになったことにある.この事実は,特に腹部臓器のように,各臓器組織のX線吸収の差が少なく,単純X線写真の限界が鋭く意識されていた領域では,この方法に特に大きな期待を集めさせることとなった.
その結果,腹部に関してはほとんど実績がないうちから,学問に無縁の要因に動かされて人気だけが先行したし,他方では,現状だけから判断して早くも失望の声を洩らす人も出はじめている.しかしながら,この技術は生まれてまだ間もない.たとえば胸部X線検査のように一見単純な技術でも,臨床家が一応使いこなすまでには25年の年月を要したし,胃X線検査にいたっては50年の年月を要した先例もあることである.この技術も,もし将来真に消化器診断に貢献するとしたら,無数の臨床家の数十年にわたる努力を,栄養源として要求することであろう.
The author introduced the present state of researches in computed tomography (CT) of several types such as CT by isotopes, CT by ultrasound, CT by ions and so on focusing on CT by X-ray.
This report includes, 1) introduction, 2) brief history of CT, 3) principle of CT, 4) present state of CT by X-ray, 5) CT by isotope and 6) future prospect of CT.
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