臨床講座=癌化学療法
治癒への条件と将来への展望
小川 一誠
1
,
永田 隆樹
1
Makoto OGAWA
1
,
Takaki NAGATA
1
1癌研究会付属癌化学療法センター・臨床部
pp.2151-2154
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217559
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小児の急性リンパ性白血病(ALL)では5年生存率が50%以上の症例に得られ,また進行したホジキン病ではMOPP療法により約70%の症例が10年以上再発なく経過している.これら両疾患は癌化学療法の進歩により治癒可能となった代表的な例である.これに対して,日常の臨床でわれわれが多く対象としている成人の腫瘍の成績はどの程度まで進歩しているのか,もし治癒可能な腫瘍があるとしたら,その条件は何であるか,本稿では成人固型癌の中で治癒可能と考えられる腫瘍の成績を通じて,癌化学療法の将来を記述してみたい.
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