Coffee Break
早期胃癌1,000例から2,000例へ(4)―早期胃癌1,000例の来院経路
高木 國夫
1
1林外科病院
pp.286
発行日 1992年3月25日
Published Date 1992/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106750
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20余年にわたる長期間に達成した早期胃癌1,000例の検討は,それぞれの施設で早期胃癌の諸因子の分析(年齢,性別,肉眼型,大きさ,深達度,リンパ節転移,予後など)がなされている.これら早期胃癌の分析は当然であるが,私が気になるのは,早期胃癌1,000例がどのようにして発見されたか,すなわち早期胃癌の来院経路はどうであるか,である.早期胃癌の来院経路を検討することは,胃癌の早期発見につながるものであり,更に今後の早期発見をより効果的に向上させるためにはどうすればよいかの指針を示すものであろう.
早期胃癌1,000例の報告をみると,早期胃癌の来院経路についての分析は8施設中わずかに2施設でなされているにすぎない.来院経路について言及しても,“これらの症例のなかには,診療の第一線で活躍されている先生方が胃癌の早期発見に努力され,当センターに御紹介頂いた症例が多数含まれている”と第一線の先生方の努力に敬意を表しているが,ただ言葉の上での敬意に終わり,実際経験した早期胃癌1,000例の中で第一線の先生方が発見して紹介した早期胃癌の頻度については言及していないものが多い.
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