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書評「要説 膵・胆道病学」
土屋 涼一
1
1長崎大学
pp.112
発行日 1980年1月25日
Published Date 1980/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106693
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原書は,Benhamou,Sarles,Gérolami著Foie Pancréas Voies BiliairesでパリのFlammarion Médicine Sciences社から1972年に出版されたものである.原著者の1人,Henri Sarles氏はAix-Marseilles大学消化器病学教授であり,種々混乱のあった膵炎を定義づけて国際的に共通な概念をうちたてた記念すべきマルセーユシンポジウムの主催者である.そしで訳者の1人中村氏はSarles教授の下にかつて学んだ膵炎の研究者で,彼の招きで来日,昭和52年春,日本膵臓病研究会にて行われたSarles教授の熱のある特別講演は今なお記憶に新しいものがある.
本訳書は,原書のうちBenhamou教授担当の肝臓の部を省略,膵胆道の部のみとし,序文,目次を入れて100頁足らずのものであるが,その内容はまことに充実している.これは,Sarles教授が,実地に役立ってしかも頁数を少なく廉価な概説書を企画したためであり,図や文献を最少限まで省略したためと思われる.
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