--------------------
書評「胃生検アトラス」
多賀須 幸男
1
1関東逓信病院
pp.1258
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106615
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
胃疾患の診断に携わるすべての人にお薦めしたい好著
よく知られているように,胃生検が容易に確実にできることになって胃癌の診断体系は一変した.それに伴い,どの施設でも胃生検の伴数はうなぎ登りで,それをめぐる混乱はいつも話題の種である.そのような中で胃の生検診断の実践的テキストの出現が待望されて久しい.最近に出版された廣田映五著「胃生検アトラス」はこの期待によく応えたもので,更にまた,様々な意味でユニークなところがある好著である.
総論には56頁が費やされ,標本の取り扱い方の詳細,臨床医との対話の重要性,国立がんセンター26年問の貴重なデータなどが書かれている.各論には 1.潰瘍を伴う陥凹性病変(24例),2.潰瘍を伴わない陥凹性病変(11例),3.隆起性病変(36例),4.その他(5例)の症例が示されている(食道疾患3例,十二指腸4例を含む).付録として,国立がんセンターで病理レポートに付記しているコメント集が掲載されているのはいかにも著者らしい.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.