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書評「Diseases of the Liver and Biliary System」
市田 文弘
1,2
1富山赤十字病院
2新潟大学
pp.1250
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106613
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London大学Royal Free病院の高名なS. Sherlock教授(0.B.E.)の「Diseases of the Liver and Biliary System」は肝,胆道疾患に関する外国のテキストの中で最も内容が理解しやすく新鮮でかつ最も多くの人に読まれているのは周知のとおりである.
本書の初版から30年を迎えた1985年に第7版が改訂され,面目を一新してから約4年を経て,ここに第8版が発刊された.第7版の改訂に際してと同様に,新しい情報を取り入れるために,従来の陳腐化した見解や古い参考事項を徹底的に整理し,削除している.そして最近の進歩が著しい肝,胆道疾患のUS,CTによる画像診断法を取り入れ,この版では新しくmagnetic resonance imaging(MRI)を加えている.また,慢性肝炎に対してはインターフェロンをはじめとした抗ウイルス剤による新しい治療法について詳細に記述されている.非A非B型肝炎については,その診断,臨床像の特徴について述べられており,現在,注目され急ピッチに研究が進んでいるC型肝炎ウイルス抗体については触れられていないが,世界的な問題であることを力説している.また肝移植については,1988年の1年間にアメリカだけで2,000例(1日6例の割合)に肝移植が施行され,腎移植と同様に一般化しつつあるので,肝移植の適応,成績,および合併症とその対応などについて詳述されている.
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