特集 早期大腸癌1994
主題
Ⅲ.治療
1.内視鏡的治療
(3)piecemeal polypectomy
金森 俊成
1
,
伊藤 誠
1
,
横山 善文
1
,
武内 俊彦
1
1名古屋市立大学医学部第1内科
キーワード:
早期大腸癌
,
結節集簇様大腸病変
,
内視鏡的治療
,
piecemeal polypectomy
,
遺残
Keyword:
早期大腸癌
,
結節集簇様大腸病変
,
内視鏡的治療
,
piecemeal polypectomy
,
遺残
pp.117-126
発行日 1994年2月26日
Published Date 1994/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105714
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要旨 3cm以上の腺腫または早期癌31例に対する内視鏡的切除の成績をもとにわれわれが行っているpiecemeal polypectomyの手技と成績を紹介し,また,その概念や限界,遺残,再発について述べた.piecemeal polypectomyでは企図的に行われたもの(狭義)とそうでないもの(広義)を区別し,分割法(期日数と分割数)を明確にする必要があると考えられた.腫瘍の5mmほど外側を全周性に線状のマーキングを行うことで腫瘍辺縁の切除を確実にし,先端針付き六角スネアを用いた中腹法で切除し完全切除の程度を内視鏡レベルと標本レベルに分けた.更に治療開始から1か月間を初期治療とすることで遺残の定義を明確にした.3cm以上の腫瘍31例の内視鏡的切除の成績では21例(68%)がpiecemeal polypectomyで切除され,そのうちの18例(86%)が狭義であった.21例全例とも1期的に行い18例(86%)が5分割以下で切除でき遺残や再発は1例にも認められなかった.しかし,広基型で45mm以上のもの,結節集簇型で腸管全周の2/3を超えるか2つ以上の皺を越えるものはpiecemeal polypectomyの適応ではないと考えた.
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