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海外文献紹介「大腸癌の化学的予防における非ステロイド性抗炎症剤」
松浦 昭
1
1愛知県がんセンター消化器内科
pp.708
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105414
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Nonsteroidal antiinflammatory agents in chemoprevention of colorectal cancer: At what cost?: Trujillo MA, Garewal HS, Sampriner RE (Dig Dis Sci 39: 2260-2266, 1994)
大腸癌は,アメリカで2番目によくみられる悪性腫瘍である.1993年には,およそ152,000人の新しい大腸癌患者が発生し,57,000人が死亡した.50歳以上の人は,およそ5%の確率で大腸癌になり,2%の確率で死亡する.しかし,早期の病変は極めて治療成績が良好で,死亡率は20%である.進行した転移のある場合には治癒することはなく,罹患率,死亡率を減少させる最も有望なアプローチは予防にある.癌の予防への1つのアプローチに薬剤を使用する化学的予防がある.piroxicam,sulindac,indometacin,aspirinのような,非ステロイド性の抗炎症剤(NSAIDS)が最も有望な薬剤とされている.本論文では,NSAIDSの既に知られている副作用と,化学的予防から得られる利益の面から文献的に検討した.
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