Japanese
English
今月の主題 胃カルチノイド―新しい考え方
序説
胃カルチノイド―新しい考え方
Introduction
渡辺 英伸
1
Hidenobu Watanabe
1
1新潟大学医学部第1病理
キーワード:
胃カルチノイド
,
自己免疫萎縮性胃炎
,
MEN-1
,
ECL細胞
,
内分泌細胞癌
Keyword:
胃カルチノイド
,
自己免疫萎縮性胃炎
,
MEN-1
,
ECL細胞
,
内分泌細胞癌
pp.1347-1348
発行日 2000年10月25日
Published Date 2000/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104888
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消化管カルチノイドは,通常の癌腫に比べて,細胞異型度の低い細胞から構成され,特徴的な組織構造をとり,しかも発育が緩徐な腫瘍として特徴づけられてきた.すなわち,腫瘍は好酸性微細顆粒状の比較的広い細胞質と円形~卵円形の均一な小型核を有する細胞から成り,核分裂像はほとんどなく,これら細胞が索状・リボン状や小充実性に主に粘膜深層や粘膜下層で増殖し,間質は血管に富むという特徴を有している.
その後,腫瘍細胞の銀反応性,電顕による神経分泌顆粒の形態,産生物質であるアミン・ペプタイドの種類を検討した結果から,本腫瘍の分類は新たな局面を迎えることになった.すなわち,消化管カルチノイドは古くより組織形態を中心にして分類されてきたが1),アミン・ペプタイドの種類を中心として分類(gastrinoma,somatostatinoma,serotoninoma,など)も登場してきた.そして,腫瘍が産生するアミン・ペプタイドの種類は各腫瘍の発生母地粘膜内にある非腫瘍性内分泌細胞が産生するアミン・ペプタイドの種類とよく相関することもわかってきた2)~4).
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