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書評「門脈圧亢進症の病理―肝内血管系の変化を中心に」
奥平 雅彦
1
1北里大学
pp.1250
発行日 1996年9月25日
Published Date 1996/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104310
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10年前に現代日本の肝臓病学研究の珠玉と評される「肝細胞癌―病理アトラス」を世に出された久留米大学の中島敏郎名誉教授が,このたび「門脈圧亢進症の病理―肝内血管系の変化を中心に」を刊行された.大学を定年退職された10年後の快挙であり,不断の真摯な学問的情熱にまず深い敬意を捧げたい.そして,立派な後継者を育てられ,すばらしい成果をお収めになったことに心からお慶びを申し上げたい.
ここ30~40年の間に肝硬変をはじめとする門脈圧亢進症を来す疾患の臨床と病理に関する知見が長足の進歩を示した.本書はその進歩に大きく貢献された中島名誉教授の日本住血吸虫症,肝硬変症,特発性門脈圧亢進症を中心とした40年にわたる優れた先導的研究の集大成である.
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