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編集後記
斉藤 裕輔
pp.1816
発行日 2004年12月25日
Published Date 2004/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104269
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今月は「大腸sm癌の内視鏡治療後の長期経過」というテーマでお届けした.基本的には生命予後の極めて良い大腸sm癌で患者の命を失うことはわれわれ消化器医にとっては残念なことである.一方,大腸sm癌の発見頻度の増加と高齢化によるリスクの増加により,内視鏡的に切除後経過観察を行う例やリンパ節転移の危険性が低いと判断して経過観察を余儀なくされる例の増加がみられており,今後,不幸な転機をとる患者様が増加することも危惧される.本号では内視鏡切除後に経過観察が可能なsm癌の特徴,また内視鏡治療後の局所再発,リンパ節再発,遠隔転移再発の特徴,またそれらの危険性があるsm癌の特徴が示され,大変参考になったと考える.さらに大腸sm癌の内視鏡摘除後の再発をできるだけ早期に発見するためのfollow up法と時期についてもdataが示された.そして内視鏡摘除後にfollow upする条件として,切除前の正確な診断,標本の十分な評価が可能な完全切除,リンパ節転移リスクを正確に評価するための病理との密な連携が最も重要であることが座談会から読みとれたことと思われる.本号が明日からの診療に十分役立つものと確信するとともに,今後の10年以上の長期間の大規模なsm癌follow up dataの集積が望まれる.
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