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編集後記
斉藤 裕輔
pp.658
発行日 2003年4月24日
Published Date 2003/4/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104214
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本年の「胃と腸」増刊号は「全身性疾患と消化管病変」という比較的難しいテーマでお届けした.総論では全身性疾患にみられる消化管病変の種類とその典型画像,病理組織からみた鑑別診断の方法が系統的にまとめられている.さらに各論では比較的良くみられる全身性疾患から,まれな疾患に至るまで,それぞれの疾患における消化管病変の特徴がよく網羅されており“全身性疾患における消化管病変アトラス"と呼べる一冊となっている.日常の臨床で遭遇することはさほど多くないと思われる比較的まれな全身性疾患に伴った消化管病変も多く掲載されているため,個々の疾患のすべてを記憶する必要はないと思われるが,本特集号にまとめて記載されていることを記憶しておけば,全身性疾患について他科からconsultされたときにも本特集号を参考として的確なアドバイスが可能であろう.また,原因がはっきりしない消化管病変を発見したときに,本号を思い出し,消化管病変の特徴・類似性を参考にすることで頻度の低い消化器疾患のみならず全身性疾患の類推も可能となるであろう.これにより全身性疾患を含めた消化管病変において,どの専門科を受診すべきかを含め,次に必要な精密検査を組む上で効率の良い診断体系が構築されることを期待する.
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