学会印象記
DDW-Japan 1999(第7回日本消化器関連学会週間)―食道に関するテーマを中心に
神津 照雄
1
1千葉大学医学部光学医療診療部
pp.1652
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102896
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DDW-Japan 1999は10月28日から31日まで,快晴の広島で開催された.演題数の多さから会場が分散したのは仕方ないが,同じ専門分野のセッションはほぼ同じ会場で行われたのは幸いであった.
第1日目は一般演題から開始された.わが国のお家芸であるEMRの対象となる早期癌に対して超音波内視鏡診断が討論された.m1~m2の超音波内視鏡の診断成績は各演者が良い成績を報告したが,筆者の印象では実感として,細かい動的内視鏡診断のほうが勝っており,そのほうが説得ある説明になると感じた.また今まで内視鏡および食道造影で施行されていた放射線化学療法の効果判定において,超音波が新しいmodalityとしてこれからの発展が期待できる研究課題と思われた.次の問題点としていかに高率に早期食道癌をスクリーニングするかが検討された.食道の早期癌の早期診断にあたってはヨード染色の重要性が改めて強く強調された.次のセッションでは内視鏡生検材料を用いてテロメラーゼを初めとする癌関連遺伝子の研究報告がなされ,これからの内視鏡関連の研究の方向性が呈示された.
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