学会印象記
DDW-Japan 1999(第7回日本消化器関連学会週間)―大腸に関するテーマを中心に
宇野 良治
1
1弘前大学医学部第1内科
pp.1634
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102893
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1999年のDDW-Japanが10月28日から31日の間,広島市で行われた.筆者は10月27日に暖かく明るい広島に着き,30日に冷え冷えとし暗い弘前に帰った.その間,学会に参加し,大腸内視鏡に関する発表を中心に聴き回った.
最近,総会が地方会レベルの軽さになっている原因を知るべく,発表を聴くにあたり,以下のことに注意した.①同じ施設から単に症例を増やしただけの発表がないか,②実際に役に立つ知見が得られているか,③統計学的検討に基づいた結論か,④無意味な細分化を行った研究ではないか,以上をクリアしてこそ総会の発表にふさわしいと認識しているため,自分自身では年に1つ発表することでも大変なのである.大腸内視鏡学会の一般演題(大腸腫瘍1~9)では,やはりこれらすべてを満たした発表は少ないと思われた.特に“統計学的有意差はありませんが,…の傾向がみられた”という理解し難い,矛盾した発表は少なからず存在した.また,すべてをクリアした発表でも,症例数の多い施設から“症例数が少ない”と切り捨てられる傾向もみられた.個人的には例数は統計学的に有意差が出る数で十分と思う.
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