学会印象記
DDW-Japan1999(第7回日本消化器関連学会週間)―胃に関するテーマを中心に
今村 哲理
1
1札幌厚生病院胃腸科
pp.1598
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102888
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1999年10月28日から31日まで秋晴れに恵まれ,会場間の移動にリバー・クルーズも組み込まれた広島市でDDW-Japan 1999(第7回日本消化器関連学会週間)が開催された.全面参加学会は日本膵臓学会,日本消化器病学会,日本肝臓病学会,日本消化器集団検診学会,日本胆道学会,日本消化器内視鏡学会の6学会で他の3学会(日本大腸肛門病学会・日本消化器外科学会・日本消化吸収学会)が部分参加であった.“胃疾患”に関する学会印象記の依頼を受けたのは学会開催のおよそ10日前であったが,筆者のスケジュールの都合もあり,発表・討論を聴くことのできたセッションから印象を述べてみる.
ワークショップ4「H. pyloriと消化管悪性リンパ腫」では,胃のみならず十二指腸~大腸のMALTリンパ腫の多くのX線・内視鏡像を見ることができた.胃のMALTリンパ腫同様,腸管のそれも一部はびらん,潰瘍など炎症所見類似の像がみられ,微細顆粒状変化~軟らかい粘膜下腫瘍様の結節状変化~ひだの腫大まで比較的多彩な像を呈していた.H. pylori陰性(証明されない)例においても,抗菌剤投与によりリンパ腫の消失した例が少なからず認められ,H. pylori以外の原因菌の関与の可能性についても言及された討論が展開され,この事実はH. pylori陰性胃MALTリンパ腫の治療の選択にも今後論議を呼ぶことになりそうで,大変興味深かった.
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