学会印象記
DDW-Japan 2001(第9回日本消化器関連学会週間)―食道に関するテーマを中心に
小山 恒男
1
1佐久総合病院内科
pp.18
発行日 2002年1月25日
Published Date 2002/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103400
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DDW-Japan 2001が10月17日~20日に京都国際会議場で開催された.食道に関する演題を中心にDDW-Japanの感想を記載する.
一般演題はポスターセッションとなったため,400余のポスターを同時掲示できる広い会場に4日で1,500題の一般演題が発表された.韓国,ブラジルなど外国からの一般演題報告もあり,当然英語でのdiscussionが行われ,本学会もいずれは国際的な学会に発展する可能性を感じた.食道関係の一般演題で特筆すべきはFranceのRey jean-Francoisらが発表した「Clinical assessment of Barrett esophagus with magnifying endoscopes」であり,拡大内視鏡を用いてBarrett's esophagusの表面構造を詳細に観察してsuperficial Barrett's cancerを発見しEMRで治療したという内容であった.これまでのrandom multiple biopsiesをやめ,これからはmagnified endoscopeでBarrett's esophagusを詳細に観察し粘膜patternが乱れた部位からselectiveにbiopsyを採取するべきであると結論する驚くべき内容であった.掲載されていた内視鏡写真は粘液まみれで決して褒められたものではなかったが,いよいよ彼らもrandom biopsyを卒業し,詳細な内視鏡診断の重要性を認識したのかと驚くと同時に,彼らに負けぬよういっそうの精進を要することを認識した.
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