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20世紀最後のDDW-Japan 2000は,2000年10月25日より4日間にわたって,神戸の地で開催された.本稿では筆者の個人的な印象を書くようにとのことであるが,もとより若輩かつ浅学非才の身ゆえ,言葉足らずのところが多々あると思われる.御寛恕をお願いする.
筆者は2日目から参加したが,イメージとして感じたのは“今,大腸が熱い”ということであった.当院の大腸グループが,セッションが終わった後も口角泡を飛ばしながら議論に熱中していた.表面型腫瘍と拡大内視鏡の出現により,今まさに新たな大腸内視鏡診断学の勃興期と思われ,胃癌診断の先達が“20年前の胃を見ているようだ”とつぶやいておられたのを聞いて厳粛な思いがした.胃の分野に目を転じてみると,我田引水ではあるが,筆者も参加させていただいたパネルディスカッション10「早期胃癌EMR困難例への対策〈ビデオ〉」も多くの聴衆が集まり盛況であった.EMRの適応・手技について現在多くの施設で症例の検討,手技の工夫が行われており,こちらも今まさに凌ぎを削っている“熱い”状態である.本パネルディスカッションでは2チャンネル法,粘膜切開法,透明キャップ法の三者の立場から,まず基本的な手技をビデオ供覧し,それぞれの困難例について定義した後,その対処法について同様にビデオを用いるという目新しい方法をとった.一括切除を目指すのか,計画的に分割切除するのかの考え方の違いの是非はおいても,他法のエキスパートの手技を動画像で拝見できたことは,どうしても自分の方法に固執しがちなだけに参考になった.パネルディスカッションでは現状でのgolden standardを知らしめたいという酒井義浩内視鏡学会長(東邦大学大橋病院消化器診断部)の意向にかなったであろうか?
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