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書評「認定内科医・認定内科専門医受験のための演習問題と解説 第2集」
花房 俊昭
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1大阪大学分子制御内科(第二内科)
pp.1008
発行日 1999年7月25日
Published Date 1999/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102778
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本来,日本内科学会の認定した研修病院で臨床研修を確実に行っておれば,認定内科医・認定内科専門医の筆記試験はそれほど難しいものではないはずである.個々の症例については,各自がその場その場で十分勉強し,理解できているであろう.しかし,自分1人の経験のみからでは,内科で要求される幅広い基礎的知識をすべて網羅するのはほとんど不可能である.したがって,多忙な研修医生活の合間に,内科全般にわたる知識を整理し,受験に備えるには,それなりの工夫が必要となる.
本書は,研修医が,今まで経験したり勉強した知識を整理し,認定内科医・認定内科専門医の受験に備えるのに最適の問題集であろう.自分が受験したときにこんな本があったらなあ,というのが,本書を見て思った正直な感想である.そう思った理由はいくつかある.まず第1に,執筆者の多くは,かつてこれらの試験問題を作成した経験を持つ認定内科専門医であり,試験でどのような点が重視されているか,問題の傾向を把握することができる.第2に,本書は単なる問題集ではなく,半分以上は問題の解説にあてられており,問題を解きながら,今まで知らなかった知識の整理や再確認ができる.第3に,受験にあたっては病歴要約も採点の対象になるが,巻末に付録として付けられている病歴要約の記載方法は,採点者が何を考慮して採点しているかというポイントを要領よくまとめており,症例のsummaryを作成するのに大いに役立つであろう.
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