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書評「病院早わかり読本」
伊賀 六一
1
1日本医療機能評価機構
pp.994
発行日 1999年7月25日
Published Date 1999/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102774
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「病院早わかり読本」という題名のとおり,この本は,“医療(病院)とは何か”,わが国の“医療・福祉制度や費用の仕組み”,“医療の質の向上”,“患者の権利について”など,われわれが現在,そして将来に向けて医療福祉社会に生きるために必要な大切な問題を横断的に取り上げ,要点をわかりやすく解説している.しかも,医療に職を持つ人たちにとってはもちろん,医療を受ける人たちにも,日常出会う身近な問題,更には,めまぐるしく変化する医療社会の現状に遅れないための新しいテーマがきめ細かく選択されている.目次に目を通しただけでも,われわれが本来知っておくべきことなのに漠然としか把握していないようなことがらについて,この書が答えてくれることに気がつくはずである.
著者が日々の診療生活を通して“患者さんたちが何を望んでいるか”,あるいは“患者さんたちに何を知ってほしいか”,また医療に従事している人たちが“専門職として何を心得ておくべきか”,“何を知っていなければならないか”を自らに問いかけ,自らが求めた答えを1人でも多くの人たちに知ってほしいという願いがこの書に込められているように思う.著者の言葉を借りるならば,まさしく“信頼と創造”の関係を,医療を提供する側と受ける側との相互の間に芽生えさせたいという心である.
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