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書評「認定内科医・認定内科専門医―受験のための演習問題と解説」
今岡 かおる
1
1島根医科大学第3内科
pp.1466
発行日 1994年12月25日
Published Date 1994/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106032
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近年,内科分野においても専門分野の細分化が進み,専門医制度の導入に伴い,各医師が自ら○○内科と呼称することが多くなってきた.その中で新たに家庭医,総合診療科という広く内科全般を診療する領域も注目を浴びてきている.内科認定医制度はそういった内科全般の修得を目指して作られたが,更にその上の専門医を目指す基礎としても重要な位置を占めている.現在,この制度を目指して受験する医師が増加しているが,卒後数年たって,どうしても疎くなる分野が多くなってくることは否めない.しかし,医師国家試験のレベルでは心許なく,かといって専門書を一から読む時間は到底ないというのが現状のようである.その意味で本書は,多忙な若手医師の短時間での内科一般の修得にとって格好の書と言えるであろう.問題は実際に内科学会認定内科委員会のメンバーで作制され,消化器・循環器・内分泌・代謝・腎尿路・呼吸器・血液・神経・アレルギー膠原病・感染症中毒・その他の10分野にわたって網羅されている.内容は奇をてらわず,基礎的な内容からやや専門的なものまで幅広い段階にわたっており,ときに見落とされがちな疾患についても言及されている.
特に試験直前の時間の余裕がないとき,本書を一読するだけでも多くの知識が得られるであろう.急げば全編1週間,丁寧に調べながらでも1か月もあれば十分読破可能と思われる.また,設問のパターンを習熟するうえにも本書は受験生にとって必携であろう.
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