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編集後記
長南 明道
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1仙台厚生病院消化器内視鏡センター
pp.169
発行日 2010年1月25日
Published Date 2010/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101847
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ESD(endoscopic submucosal dissection)の開発・普及により早期胃癌の全周にわたる正確な進展範囲診断が不可欠となった.その対象病巣の進展範囲診断においてIIb進展が特に重要である.そこで本号を小山恒男,鬼島宏,筆者の3人で企画し,タイトルを「早期胃癌のIIb進展範囲診断」とした.
本企画では最初にIIb進展を伴う早期胃癌の病理組織学的特徴を工藤康之,江頭由太郎に抽出していただいた.IIbの頻度を工藤は7.3%,江頭は7.8%であったとし,ともに随伴IIbの臨床的重要性を強調している.IIb進展を構成する要因としては,(1)低分化腺癌~印環細胞癌が非腫瘍性の腺窩上皮下の粘膜固有層の中表層を水平方向に進展するタイプ(工藤,江頭),(2)いわゆる手つなぎ型の中分化型腺癌(工藤,江頭),(3)低異型度高分化型腺癌が粘膜層の全層あるいは表層を置換性に増殖するタイプ(江頭)が重要である.
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