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書評「腸疾患診療プロセスとノウハウ」
飯田 三雄
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1九州大学大学院病態機能内科学
pp.1412
発行日 2008年8月25日
Published Date 2008/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101462
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このたび医学書院から『腸疾患診療─プロセスとノウハウ』が発刊された.編集者の清水誠治,斉藤裕輔,田中信治,津田純郎の4氏をはじめ,本書の執筆に当たられた方々は,いずれも20有余年にわたって腸疾患診療の第一線で活躍されてきたエキスパートたちである.本書は,日常臨床の現場で診断に困ったときや治療法の選択に迷ったときなどに気軽に活用できる実践書として好評を博することは間違いないであろうと考える.
私が消化器内科を専攻すると決めたのは1970年代の初めごろであるが,当時の消化器病に関する教科書としては,「Bockus Gastroenterology」が唯一であり,日本語で書かれたものは皆無に近かったと記憶している.近年になり,本邦でもやっと消化器疾患の臨床に関する成書が出版されるようになってきたが,その数は限られたものであり,特に腸疾患の診療に役立つ実用書となると極めて少ないというのが現状であろう.このような背景から生まれたのが本書であり,腸疾患の診断のプロセスと治療のノウハウがわかりやすく解説された,日常診療に欠かせない1冊としてできあがっている.
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