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本号は「大腸の新しい画像診断」というテーマでお届けした.病理組織の肉眼所見に立脚した注腸X線検査や拡大観察を含めた大腸内視鏡検査が大腸検査法のgold standardであることに変わりはないが,新しい画像診断法も開発が進み,その進歩が著しいことから新しい検査法の理解を深める目的で本特集号が組まれた.NBI(narrow band imaging),AFI(autofluorescence imaging),FICE(FUJI Intelligent Color Enhancement)と新しい内視鏡の技法により,大腸腫瘍の拾い上げが容易となり,深達度診断にも有用であることが示された.また,潰瘍性大腸炎の長期経過例におけるdysplasiaの拾い上げの可能性についても示された.新しい超音波検査として,造影超音波と三次元EUS(endoscopic ultrasonography)の現状についても解説いただいた.また,今後大腸癌のスクリーニングへ応用可能なCT(computed tomography)およびMR(magnetic resonance)colonographyについて現状における有用性とfecal taggingを含めた今後の可能性について示され,既に実用化されているPET(/CT)についても解説いただいた.加えて近い将来の実用化が期待されるendocytoscopyを用いたoptical pathologyについても紹介いただいた.さらに,大腸カプセル内視鏡,自走式大腸内視鏡,共焦点大腸内視鏡についても示され,今後のさらなる開発が期待される.これら新しい画像診断を用いて新たな診断学が構築されることが期待され,将来の診療に還元される日が1日も早く来ることが待たれる.
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