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編集後記
小山 恒男
pp.1432
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101186
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食道EMRが開発され約18年が経過した.この間に内視鏡機器は格段の進歩を遂げ,食道表在癌の発見頻度は増加した.技術的にはESDの開発により,大きな病変でも一括切除が可能となった.当初,食道EMR/ESDの適応は深達度m1,m2の早期癌のみであったが,m3,sm1癌のリンパ節転移頻度は10~20%と報告されており,相対適応として多くのm3,sm1癌症例が内視鏡的治療を施行されてきた.
本号では先進的な施設の治療成績を集積し,食道EMR/ESD後の長期予後を明らかにすることを目的として編集した.その結果,絶対適応である深達度m1,m2癌の長期予後は極めて良好であったが,高率に異時多発癌が発生することが明らかにされた.また,ESDは歴史が浅いため長期予後は不明だが,局所再発が少ないという利点が判明した.
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