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編集後記
小山 恒男
pp.1178
発行日 2007年6月25日
Published Date 2007/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101147
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大腸腫瘍の大半は腺腫であり,分割切除が容認される.①拡大内視鏡にて癌が示唆される場合は同部を分断しないように,計画的分割切除すれば良い,②EPMRは治療時間が短く,偶発症も少ない,③再発しても粘膜内病変である.以上が分割容認派の主な主張である.一方ESD派は,①一括完全切除ができるため,正確な病理組織学的検索ができ,かつ局所再発を予防できる,②分割EMRでは時に癌部を分断し,正確な病理学的検索ができない,③偶発症も克服可能,と主張する.ともに正しいが,問題は両者の使い分けの方法である.
すべての大腸腫瘍に一括切除を行う必要はなく,全例にESDを行う必要はない.しかし,最深部が複数あることが予測される病変やSM浸潤率が高いLST-NG,EMRが困難である線維化を伴う病変,再発症例などにはESDを行うべきであろう.しかし,これらのESDには高度な技術を要することも事実であり,大腸ESDに関してはセンター化が必要と思われる.
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