--------------------
編集後記
小山 恒男
pp.1598
発行日 2006年10月25日
Published Date 2006/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104334
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
ESDの開発により,占拠部位,形,大きさにかかわらず任意の範囲を一括切除することができるようになった.偶発症,処置時間という問題点も手技の向上にて解決され,局所再発もほぼなくなった.また,なにより適応拡大に必須である詳細な病理学的検索が可能となった.一方,腹腔鏡下胆囊摘出術に始まった腹腔鏡外科も,D2郭清を伴う胃全摘術が可能になるまでに発展し,低侵襲化したとされる.本主題はEMRから進化したESDと,低侵襲な外科手術として発展した腹腔鏡下手術の接点をさぐる目的で企画された.
retrospectiveなデータではあるが,適応拡大病変のESD治療成績,予後は外科治療と遜色ない結果であった.また,ESDでは病理学的に十分検索可能な切除標本を得ることができていた.したがって術前診断が適応外病変であれば腹腔鏡下手術で治療.適応拡大病変であればまずESDで治療し,病理学的検索の結果,適応外と判定された場合は腹腔鏡下手術で治療,というフローチャートが成り立つ.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.