増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
一般検査
尿検査
尿ポルフィリン体
竹内 意
1
,
織田 昭義
1
,
両角 國男
1
1名古屋市立大学医学部第3内科
pp.742-744
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910005
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検査の目的・意義
ポルフィリンは,ヘモグロビンなどヘム蛋白の構成成分であるヘムの前駆物質である.ヘム合成はグリシンとサクシニルCoAを素材として行われるが,その中間産物であるウロポルフィリン(UP),コプロポルフィリン(CP),プロトポルフィリン(PP),さらに前駆物質であるδ-アミノレブリン酸(ALA),ポルフォビリノーゲン(PBG)を含めてポルフィリン体(P体)と呼ぶ.特に造血系と肝で合成が盛んであるため,尿中P体のほとんどはこの両臓器に由来している.
ポルフィリンの水溶性はカルボン酸基の数に比例する.水溶性の最も低いPPは胆汁中に排泄され,尿中にはほとんど検出されない.またCPは一部尿中に排泄される.このため尿ではALA,PBG,UP,CPが,糞便ではCP,PPが測定される.また赤血球ではUP,CP,PPが測定対象となる.
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