増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
内分泌学的検査
性腺
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
斉藤 英和
1
,
斉藤 隆和
1
,
広井 正彦
1
1山形大学医学部産科婦人科
pp.408-410
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909878
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検査の目的・意義
hCG(human chorionic gonadotropin,ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は分子量37,000の糖蛋白ホルモンであり,分子量約14,000のα-subunitと分子量23,000のβ-subunitから成っている.α-subunitは,LH,FSH,TSHのα-subunitと極めて類似している.また,β-subunitは各ホルモンに固有の構造を持ち,特異性を有している.しかし,hCGとLHではβ-subunitについても相同性が高く,わずかhCG-βのC末端から30個のアミノ酸残基(β-subunit carboxyl terminal peptide:β-CTP)だけが,hCGの免疫学的特異性を有している.
このhCGまたはsubunit測定の目的は,①妊娠の早期診断,②流産の治療指針,③子宮外妊娠の補助診断,化学療法の治療効果判定,④絨毛性疾患の診断,治療効果判定,follow up,⑤異所性hCG産生腫瘍の腫瘍マーカーとが考えられる.
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