特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
内分泌学的検査
性腺
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)
久保田 俊郎
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生殖機能協関学
pp.344-345
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101825
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin:hCG)は妊娠の成立,維持に重要な働きを示す糖蛋白ホルモンであり,分子量は39,000でα,β2種類のサブユニットの非共有結合により構成される異分子二量体である.そのうちαサブユニットは92個のアミノ酸残基からなり,下垂体由来の黄体化ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH),甲状腺刺激ホルモン(TSH)に共通であり,βサブユニットは各々のホルモン特異性を担っている1).
hCGは絨毛のジンチチウム細胞(栄養膜合胞細胞)から分泌されると考えられ,妊娠の成立とともに急激に増加するため,尿中hCGの検出が妊娠診断の決め手となる.また,妊娠初期での血中または尿中hCGの分泌パターンが異常を示せば,流産や絨毛性疾患などの異常妊娠を知る重要な指標となり,さらに異所性ホルモン産生腫瘍や悪性新生物の診断ならびに管理における重要な腫瘍マーカーでもある1).
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