増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
内分泌学的検査
副腎
尿中17KS(尿中17-ケトステロイド)
岩岡 大輔
1
,
直海 晶二郎
1
,
梅田 照久
1
1熊本大学医学部第3内科
pp.398-399
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909873
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検査の目的・意義
17KSはC17位がケト基(-CO)になっているステロイドの総称で,副腎皮質網状層と睾丸(Leydig細胞)で生成され,男性ホルモンの産生分泌状態を示している.副腎アンドロジェンの産生はACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の支配を受け,睾丸アンドロジェンはLH(黄体ホルモン)の支配を受けている.17KSに含まれるホルモンとしては,androsterone(An),ethiocholanolone(Et),dehydroepiandrosterone(DHEA),11-OH-An,11-OH-Et,11-keto-Etなどがある.An,Etは主として副腎アンドロジェンのDHEAやDHEA-Sが,また一部は睾丸より分泌されたtestosteroneが,いずれも肝で代謝されたものである.成人男性では2/3が副腎由来,1/3は睾丸由来であり,成人女性や小児ではすべてが副腎由来である.血中17KSには,An,Et,DHEAがあり,それぞれRIAで測定されるが,血中総17KSとして測定されることはなく,臨床で使われるのは尿中17KSである.
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