泌尿器科領域における尿中ステロイド（特に17—KS分画）の研究

STUDIES ON URINARY STEROIDS IN UROLOGICAL PATIENTS

緒言

　副腎および性腺において生合成され，分泌されたステロイドホルモンはそれぞれの作用を示しながら体内で種々の段階に代謝され，尿中に排泄される。その排泄されたステロイドを化学構造により，17—OHCS（17—Hydroxycorticosteroids），17—KS（17—Ketosteroids），17—KGS　（17—Ketogenicsteroids）などに分類しそれぞれ特異的な反応を利用して測定している。しかし，各グループは数種類のステロイドの混合物なので，そのグループとしての排泄量の他に個々の排泄量を知りうるならば，生体でのホルモンのより詳細な動態を把握することが可能になる。種々の状態における総17—OHCSとその分画についてはこれまで当教室においても研究を行ない，総17—OHCSの増加にすべての分画が比例して増加するわけではないことなどを明らかにした^1,2）。

The normal value of fractionated 17-KS, Pregnandiol, Pregnantriol and total 17-OHCS were estimated among the patients, admitted to the urological department without any pathology of the adrenal and sex organs. The changes of these steroids by surgical stress and ACTH loading test were observed and the following data were obtained.