増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
窒素化合物
アンモニア
伏見 了
1
,
網野 信行
2
1大阪大学医学部附属病院臨床検査部
2大阪大学医学部臨床検査診断学
pp.65-67
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909754
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血中アンモニア濃度測定の意義
アンモニアは蛋白質およびアミノ酸の終末代謝産物として産生し,また摂取食物中の蛋白質およびアミノ酸の腸内細菌による分解にて産生し,門脈経由にて肝臓に運ばれ,尿素サイクルにより最終的に尿素として処理されている.したがって,肝臓機能の低下による尿素サイクル活性の低下,腸内におけるアンモニア産生の増加および門脈副血行枝による門脈血の大循環系への流入がある場合には,血中アンモニア濃度が高値となる.
アンモニアは中枢神経系に強く作用する有害物質であり,肝臓機能の低下に伴い挙動や情動の変化および傾眠などの肝性脳症を呈する場合や,近年その有用性が認められ広く利用されている高カロリー輸液施行中の患者管理においても,定期的な血中アンモニア値の測定が必須である.
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