特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
窒素化合物
アンモニア
斎藤 孝仁
1
,
井上 和明
1
,
与芝 真彰
1
1昭和大学藤が丘病院消化器内科
pp.168-170
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101763
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
アンモニアは主として腸管内で食事蛋白から生成されるが,核酸などおよそNを含むあらゆる有機物からも発生する.アンモニアは中枢神経系に対し毒性を有するため,肝に存在するウレアサイクルを介して毒性の低い尿素に変換され,腎から排泄される.その他,アンモニアは肝,筋肉,脳,腎においてα-ケトグルタル酸→グルタミン酸→グルタミンへと変換する際に1分子ずつ取り込まれて解毒されるし,クエン酸→アラニンの変換にも1分子取り込まれ解毒されるが,これらの系はアンモニアの摂取容量が小さく,この反応は可逆的であり,再びアンモニアを放出するので,最終的にはウレアサイクル機能がアンモニア代謝の要となる.血中アンモニア上昇はアンモニアのウレアサイクルの代謝が阻害される以下の病態で上昇する.
先天性ウレアサイクル異常症
劇症肝炎や非代償性肝硬変などによる後天性の肝不全状態
特発性門脈圧亢進症などによる門脈-体循環シャント(表1).
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