技術講座 生化学
アンモニア
桑 克彦
1
1虎の門病院生化学科
pp.429-432
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201375
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血中アンモニアの測定は,Conway(1938)が微量拡散法を発表して以来,肝性昏睡の指標として臨床的に重視されるようになった.
従来血液アンモニアを正確に測定することが困難であった.すなわち,それは体内で生成されるアンモニアが直ちに肝臓で処理されてしまうため,血液中には痕跡量が存在するにすぎないこと,また,血液を採血後放置すると,グルタミンのような不安定アミドからの加水分解によるアンモニアの遊離などにより,プラスの誤差を生ずるという欠点を有していたことである.しかし,適切な前処理法と鋭敏な分析法により特異性の高い迅速な測定法が可能になってきた.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.