今月の主題 消化器診療のcontroversy
肝疾患
無症候性PBCの治療は予後を改善させるか?
佐々木 博
1
1富山医科薬科大学
pp.278-280
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909494
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●概念と診断基準
原発性胆汁性肝硬変primary biliary cirrhosis(PBC)は中年以後の女性に好発し,皮膚掻痒感で初発することが多い.黄疸は出現後は消退することなく漸増し,多くは門脈圧亢進症状を伴い,約半数は数年で死亡する.
検査所見では黄疸の有無にかかわらず血沈の促進,血清中の胆道系酵素,総コレステロール,IgMの中等度以上の上昇を認める.血中抗体,とくに抗糸粒体抗体antimitochondrial antibody(AMA)は高頻度に陽性で,かつ高力価を示す.また約1/3の症例にSjögren症候群,RA,慢性甲状腺炎などの自己免疫性疾患を合併する.
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