今月の主題 消化器診療のcontroversy
肝疾患
ステロイド療法は重症アルコール性肝障害の予後を改善させるか?
重田 洋介
1
1慶応義塾大学伊勢慶応病院・内科
pp.272-274
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909492
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わが国民1人当たりの酒量は近年ますます増大し,欧米の域に近づかんとしている.わが国の飲酒人口は現在約6,500万人で,その中で毎日欠かさず飲酒する人口は約1,500万人以上といわれている。さらにその中で毎日日本酒に換算して5合以上飲酒する,いわゆる問題飲酒者(ほぼアルコール依存症と考えてよい)は220万人以上とされている1)。
アルコール性肝障害の中でもアルコール性肝炎は,アルコール性肝硬変の前段階として重要であり,近年わが国においてもアルコール性肝炎の発生頻度は確実に増加している.
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