今月の主題 消化器診療のcontroversy
胃・十二指腸疾患
出血性胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血療法は有用か?
須川 暢一
1
,
杉村 好彦
1
1Department of Surgery, Wayne State University, School of Medicine
pp.218-219
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909472
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●治療法の概説
消化性潰瘍の大量出血の大部分が,潰瘍底の露出血管からの出血である.内視鏡的には,潰瘍底の赤色,黒褐色,白色の2〜3mmの盛り上がりを露出血管と呼ぶ1,2).実際はその漿膜側の小動脈の側孔から突出する凝血(sentinel clot)である.
止血はsentinel clotの下にある血管を治療閉塞する必要がある.止血法には,1)熱による蛋白凝固(高周波電気凝固法(単極と双極),HeaterProbe, Laser),2)薬剤局注(食塩水エピネフリン法,純エタノール法など),3)前述の1)と2)の併用,4)物理的血管閉塞(クリッピング),薬剤散布(トロンビンなど)がある3).
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