今月の主題 消化器診療のcontroversy
胃・十二指腸疾患
胃・十二指腸潰瘍治療における外科の役割は減っているのか?
門田 俊夫
1
1防衛医科大学校・第1外科
pp.216-217
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909471
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消化性潰瘍は,「no acid,no ulcer」の言葉どおり,胃酸が主因となって消化管に生ずる良性の潰瘍である.したがって,異所性胃粘膜(メッケル憩室など)から分泌される酸によって生ずる潰瘍も消化性潰瘍に含まれるが,頻度が少ないため,ここでは胃潰瘍と十二指腸潰瘍に限って話を進める.
消化性潰瘍の診断は,周知のごとく上部消化管造影と内視鏡であり,ともに日本が世界をリードしてきた分野である.特に内視鏡は,悪性との鑑別という意味で必須の検査となり,経内視鏡的検査法の進歩とあいまって,潰瘍病態生理の解明が進んでいる.しかし,理由は不明ながら,過去20年,消化性潰瘍の発生率は,徐々に減少している.
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