今月の主題 内科evidenceは果たしてあるのか
evidenceに基づいた内科の問題解決
腎臓
尿中蛋白は腎障害を助長するか
大石 明
1
1国立霞ケ浦病院内科
pp.2159-2163
発行日 1998年12月10日
Published Date 1998/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909442
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ポイント
●慢性腎不全の進展には,腎血行動態のほかに尿蛋白増加による近位尿細管の障害が関与している可能性がある.
●尿蛋白排泄量を減少させる治療法,例えばアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE inhibitor),蛋白制限,血小板凝集阻害薬,柴苓湯には腎不全進展を抑制する可能性があるが,ほぼ確立されたといえるのはACE inhibitorと蛋白制限だけである.
●Ca channel blockerは特に非ジヒドロピリジン系に尿蛋白減少作用があると報告されているが,ジヒドロピリジン系も腎不全進展抑制作用を有する可能性があり,臨床試験の結果が待たれる.
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